成長期に多く見られる怪我
今年も中々、コロナ収束の目途がたたず部活が思うようにやれていない多くの学生がいると思います。
大会なども中止になってしまったりと悔しい思いもあると思いますが、早く収束できるように今を乗り越えていきましょう。
今回は成長期の時期に多く見られる怪我について紹介していきたいと思います。
スポーツをしていく中で怪我をしてしまうのは付きものなのでしょうがないですが、その怪我を一日でも早く治す事が出来るのが僕たちの仕事だと思っています。
成長期には、その年代に起こる特有の怪我があります。成長期にはまず骨が成長し、筋肉がそれを追いかけるように身体が作られていきます。一般的に男子では約12歳,女子では10歳にこの時期を迎えるといわれています。
身長が伸びるメカニズムには、男女ともに意外にも女性ホルモンの働きが深く関わっています。
成長期を迎え女性ホルモンが分泌されると成長ホルモンの分泌を介して、身長が伸びるように働きます。
一方でその分泌量が多くなると、今度は骨に働きかけて身長の伸びを停止させる働きがあります。
なぜ成長期に怪我が多くなるのか
子供の骨は大人の骨と違い、両端が軟骨になっていて、骨端線と呼ばれる部分から骨が伸びていきます。
そのため、骨、関節は成人と違って構造的に弱く、強い牽引力、圧迫力が繰り返し働くと、傷ついたり変形したりして障害が生じやすいのが特徴です。
主な怪我
肘 野球肘
腕は上腕骨、橈骨、尺骨の3つの骨があり、これらをつなぐ靭帯が内側と外側にあります。
ボールを投げるときには肘の内側では「牽引力」により、骨や靭帯が引っ張られ、
剥離骨折や靭帯損傷などが起こります。
外側では「圧迫」により軟骨や骨が陥没するような障がいが起こります。
代表的な野球肘
上腕骨内側上顆障害(リトルリーグ肘)
子供の野球肘がほとんどこの障害です。肘の内側に出っ張り部分があり(内側上顆)その場所で成長障害をおこします。野球肘を発症すると、投球動作の際や投球後に肘に痛みを覚えるようになります。
肘の可動域に制限がかかり、肘の曲げ伸ばしがうまくいかなくなることもあります。
10人に1~3人程度に起こります。 通常は2~4週間の投球中止で復帰できると言われています。
肩 リトルリーグショルダー(野球肩)
シーズン開始直後や練習メニューを変えた時など投球動作に伴う上腕の捻りによる動作から、
ピッチャーに最も多くみられるスポーツ障害。投球動作などで肩に痛みが出現します。
腰 分離症
腰部の繰り返しのスポーツ動作によるストレスで起こる関節突起間部の疲労骨折であり、
発育期のオーバートレーニングによる場合が多いです。10〜15歳の男児に多く、
一般人の約5%、スポーツ選手では30〜40%が分離症を起こしているといわれている。
膝 オスグット病 (オスグッド・シュラッター病)
身長が著しく伸びる小学校高学年から中学、高校にかけての時期によく見られるスポーツ障害。
特にサッカーやバスケットボール、バレーボールなど、膝への負担が大きいスポーツ種目で多くみられます。男女比では男子に多いのが特徴です。
太ももの骨の成長に筋肉や腱の成長が追いつかないため、膝下部分が常に筋肉や腱で引っ張られた緊張状態が続いてしまいおこります。
大腿四頭筋という膝関節を曲げ伸ばしする時に重要な役割があります。
対処方法
太もも前の筋肉をストレッチしてあげる。
症状が強い場合は冷やす、もしくは安静にする。
オスグット用のサポーターをする。
足 セーバー病
成長期の子供に発生する踵の障害です。症状としては、運動後に踵骨部痛を訴えることが多いようです。
疼痛が強い場合は、痛みを避けるためにつま先立ち歩きをする人もいます。
運動などで負荷がかかり、そこにアキレス腱や足底筋膜が引っ張り炎症を起こしてしまう。
このように、成長期の時期は怪我や障害が起こりやすい時期になっています。
一日でも早く思うようなプレーや復帰をできるように日々のケアは大事になってきます。
痛みを我慢して長引いたり、最悪は悪化してしてしまうこともあります。
痛みがあるのであれば是非、お気軽にご来院下さい。
ご一緒に治していきましょう。