日々の生活でパソコン、スマホは欠かせないものですよね。他に読書だったり、テレビでドラマやバラエティなどを見て休日を過ごす人も多いのではないでしょうか。仕事だと一日中パソコンに向かっていたり、ゲームや動画に夢中になると何時間も見続けてしまう事もあるかと思いますが、その間酷使し続けている目は疲労を蓄積しています。

目が疲れたと感じ、休息をとって疲れが取れれば一時的な眼疲労なので次の日にはまたいつも通り活動が出来ますが、休んでも疲労が取れない・眼の奥に痛みを感じる・頭痛、肩こりなどが慢性的に起きてしまっている場合、それは「眼精疲労」かもしれません。

ものを見る仕組み

ヒトの目は角膜・水晶体・網膜と言ったカメラのレンズやフィルターのような働きをする器官から出来ています。

光を角膜で受け、近くを見るとき、遠くを見るときで水晶体の形を変えることで受けた光を屈折させてピントを合わせ、網膜に到達した光の情報を脳へ伝達して、見えた物を認知することが出来ます。

目の痛みはどこから?

視覚器官を動作させているのは眼球の周りの神経や血管・筋肉であり、眼精疲労はこの神経・筋肉が酷使されることにより起こるとされています。

眼球を動かす筋肉は内直筋 ・外直筋・上直筋 ・下直筋 ・上斜筋・下斜筋の6つが あり、合わせて外眼筋(がいがんきん)と呼ばれています。これらの筋肉がバランスよく稼働することで眼球を横に動かす、縦に動かす、旋回させるなどの運動を可能にし、目の奥の疲れや痛みの症状はこの外眼筋の凝りが原因に挙げられます。

凝りとは拘縮により筋肉が硬くなっている状態をさし、筋肉の凝りは血行不良を招きます。

血流が悪くなると本来排出されるはずの老廃物が停滞・蓄積され、神経などに刺激を与えてしまい痛みを感じる様になります。

従って、筋肉の凝りからくる眼精疲労には回復させるために目を休ませる以外に筋肉をほぐす眼球運動やマッサージなども効果的となります。

眼精疲労の予防・解消方法

実際の生活でやりやすい、取り入れやすい予防法と解消方法をいくつかご紹介していきます。

・姿勢を見直す

長時間パソコン作業やスマホの操作をしているといつの間にか前かがみの姿勢になってしまったり、椅子にもたれ掛かってしまいがちですが、この姿勢を続けていると肩・首に大きく負担がかかります。

パソコン画面なら40センチ程離し、椅子や机の高さを調節して画面は水平視線より下になるようにしましょう。

スマホ画面も同じように、長時間使用する場合は俯かない様に画面を持ちましょう。

正しい姿勢は体の負担を和らげ、血行不良の防止に繋がるので慣れなくても少しずつ続けて、身につけていけるように心掛けましょう。

・ブルーライトカット

ブルーライトとは人が可視出来る電磁波の中で最も紫外線に近い、強いエネルギーを持った光のことです。本来、光は角膜や水晶体で吸収され、網膜へと伝わるのですが、このブルーライトの光は直接網膜へと届いてしまう為、目や自律神経に大きな負担をかけてしまいます。

20年程前と比べ、省エネ化のためのLEDの使用、パソコン・スマホの普及によりデジタルディスプレイから受けるブルーライト量は大幅に増加したと言われています。

紫外線と同じく浴び続けると老化作用もあるとされているので、ブルーライトカットが可能な眼鏡や画面のシート、アプリなどを利用することで目の疲れの防止と共にアンチエイジングの効果が期待されます。

・目を温める

およそ40℃くらいに温めたホットタオルを10分程目に当てておくと血行が良くなり、眼精疲労解消に繋がります。

厚手のタオルを濡らして電子レンジ600W~800Wで1分弱、出来ればラップをかけてチンするとちょうど良い即席ホットタオルの完成です。

欠点としては冷めやすい事、温度の調節が難しい等ありますが、手軽に目を温めることが出来ます。

その他ドラッグストアやネットなどで買える目を温めるアイマスクもゆっくりと目を休めるのに適しています。使い捨ての物から繰り返し使えるものまで種類が豊富なので、自分に合う使いやすいものを見つけるのもいお勧めです

この場合、目を温めて筋肉の凝りをほぐし、血行を良くすることが目的なので爽快感のあるハーブなどが配合されている目を冷やすアイマスクは避けましょう。

・ツボを押す

首の後ろ、髪の毛の生え際のところにある天柱(てんちゅう)と呼ばれるツボは「筋肉を解し、血流をよくする」効果のあるツボです。

このツボのある場所は後頭下筋群という首を支える筋肉が集まっているところで、ここの筋肉を解し血流をよくすると、目の疲れ以外に肩こりの解消・嚥下機能の向上にも効果があります。

・外眼筋ストレッチ

目を閉じ、リラックスできる体制で目の周りの筋肉を解していきます。

上 → 下 → 真右 → 真左 → 右斜め下 → 左斜め下 → 右斜め上 → 左斜め下

この八方向へ眼球を動かし、それぞれ5秒間ずつキープします。

次に右周りに3回、左に3回ずつゆっくりと旋回させます。

最後に目の周りの骨(眼窩)を指でなぞるようにマッサージをして終了です。

※めまいなどの症状が出る場合は眼球の運動はせず、最後のマッサージだけにしてください

このストレッチは温めてから行う事でより効果が増すため、入浴後やホットタオルのあとがお勧めです。

最後に

室内で過ごすことが多い今の時期は目に疲れがたまりやすくなります。目の筋肉を労わってあげることで視力の低下も防ぐことが出来るので、ぜひ積極的に取り入れてみてください。

ただし、目の奥の痛みの中には脳内出血などの怖い病気が隠れている場合もあるので、あまりに症状がひどい、いくら休んでも回復しないなどの症状がみられる場合は早めに医師に相談をしてください。