脱水症

少しずつ気温も下がってきて過ごしやすい気温になってきましたね。

暑い夏などの季節には、水分をよく摂取することを意識していると思いますが、

寒い冬場でも水分は体から出ています。

こういう寒い日にこそ脱水は起こってしまうので、十分注意が必要です。

体にある水分は体液という液体で満たされていて、

平均的にその量は子供で70~80%、成人で60%、ご高齢の方で50%と言われています。

この体液は、汗や唾液もそうですが血液や消化液、尿なども含まれていて、

こうした体にある体液が十分に足りていない状態を脱水症と言います。

冬場の脱水

夏の炎天下の中スポーツをしたりすると、体の水分が少なくなり脱水になる可能性がありますが、冬場は寒さもあり暖房器具を使うので湿度が下がっています。

その結果、空気が乾燥してくるので体から自然と水分が出てしまうのです。

普通に呼吸をしている状態、呼気などからも水分がなくなっていて

寝ている間にも自覚なく失われることを「不感蒸泄」と言います。

また、暑くないから汗をかいていないと意識しがちですが、

逆に警戒心が低くなってしまいやすく、夏場に比べ水分を摂取しなくなってしまいます。

こういうところから水分不足が起こり、脱水症に繋がってしまいます。

なので、適度な水分補給は寒い季節でも行い、寒いからと言って暖房器具をつけたままにすると湿度も下がってしまうので、加湿器やコップ一杯寝る前に取るなどをして予防していきましょう。

脱水の種類

脱水の種類には水分欠乏(高張性)型脱水塩分欠乏(低張性)脱水の2つがあります。

簡単に言うと、単に水分がなくなってしまうのが水分欠乏型で

水分と電解質が同時になくなってしまうことを塩分欠乏型といいます。

水分欠乏型

体から水分がなくなっている状態で、大量の汗をかいたりすると起こります。

水分がなくなることで、細胞外液の水分が少なくなり、血漿浸透圧が上昇してしまいます。

症状としてあらわれてくるのが、のどが渇いてしまう尿が少ない不安興奮などの症状がみられます。

塩分欠乏型

塩分も水分も体からなくなってしまう状態で、ノロウイルスなどのウイルスにより体調を崩し下痢嘔吐を引き起こしてしまうことからこれが起こります。

細胞を海などの塩水につからせておくと、パンパンに膨張してきます。

これは細胞内液中にある電解質の濃度が高い状態になっているので、細胞内に入ってきてしまうことによって起こるものです。

これと同じで、細胞外液にあるナトリウムイオンが失われているところに水分だけを加えてしまうと、体の体液を一定に保とうとしているのに浸透圧が下がってしまいます。

体はその濃度を元に戻そうと尿として出そうとするので、それと一緒に出て行った電解質などもでて体内の体液量、電解質の量も減ってしまい脱水になってしまいます。

なので、下痢や嘔吐をした場合は水分だけでなく、塩分などの電解質や糖分を同時に摂取していかなくてはいけません。

また、症状としては下痢嘔吐立ち眩み血圧の低下なども起こってきます。

そもそも浸透圧とは??

体の中にある半透膜で、溶かしているもの(溶媒)は通し、溶けているもの(溶質)は通さないという膜を半透膜といいます。

溶質の濃度が違う水溶液を半透膜を隔てて並べて置くと、溶媒である水分子が濃度の低い液から高い液に移動し、濃度を同じにしようとします。

この時に起こる「水を移動させる力」を浸透圧(しんとうあつ)といいます。

脱水になりやすい人

高齢者乳幼児の方です。

乳幼児は体の水分の割合が高く、更に体が小さい為水のもとの量が少なく、下痢や嘔吐などですぐに脱水になってしまいます。

逆に高齢者の場合は水分の割合が少なく、尿を出す機能も低下している為、同じ分の老廃物を出すのに、多くの水分を必要とします。

更に、のどの渇きを感じにくくなっていたり、水を飲む機会が少なかったりするせいで、脱水を引き起こしやすいと言われています。

また、高血圧等で利尿薬を使用している方は特に意識的に水分補給を行うようにしてください。

危険性と予防

まずはこまめな水分補給と塩分を摂取することです。

水だけとかではなく、一緒に塩分も摂ってあげることで脱水の危険性が低くなります。

スポーツドリンクなどは特におすすめですが、普段からたくさん飲んでいたりすると

糖分も含まれているので、血糖値が上がってしまいます。

あとは、水分だからとビールやお酒などを飲み物替わりにしたりするのも良くありません。

お酒は利尿作用もあるので、尿として水分が出てしまい逆効果なのでやめましょう。

脱水を起こした際に、経口補水液を飲むといいとされていて、水に食塩とブドウ糖を溶かしたものなので、水分と電解質の吸収を助けてくれる働きがあります。

症状は軽度から重度までありますが、

軽度の場合は皮膚や唇がカサカサしたり、口が渇いたりしている状態です。

行動などではぼーっとしてしまうことが多いので、めまいやふらつき、ウトウトと眠気を感じているのが特徴です。血行が悪い分、爪の色が戻りにくい、手足が冷えていることが多いです。

中度では頭痛や吐き気などを起こしやすくなり、

重度の場合では意識障害がある状態にまでなります。

なので、普段からこまめな水分補給と温度調節などを意識して

こういった症状が出る前に対策をしていき脱水にならない工夫をしていきましょう。