冷え性改善で万病を防ぐ

寒さを感じるようになると指先や足の先が冷たくて痛い、お尻や二の腕、太ももなどがヒンヤリ冷たくなっている…

寒さを感じる場所は体質によって違いがあれど、そんな症状を感じる方は「冷え性持ち」です。

一般的には女性に多い症状ですが、自律神経の乱れや病気などが原因で近年男性の冷え性も増加しています。

冷え性の原因を考えながら、体質改善についてまとめていきたいと思います。

冷え性の症状・タイプ

冷え性は主に「四肢末端型タイプ」・「下半身型タイプ」・「内蔵型タイプ」・「全身型タイプ」と分け、それぞれ原因・改善方法が異なります。

①「四肢末端型タイプ」

このタイプの症状はその名の通り、いつも手の先や足先がヒンヤリしてしまう状態です。

10代、20代の若い子にもみられる症状で、ダイエットなどで食事を少量にしていたり、ストレスなどで交感神経が乱れ、血行が悪くなっているなどが原因です。

②「下半身型タイプ」

このタイプの症状は手は暖かいが腰から下が冷えやすく、逆に上半身や顔は火照って汗をかきやすい特徴があります。

加齢とともに下半身の血流が悪くなったり、運動不足による筋力低下などが原因に挙げられますが、最近では長時間のデスクワークでお尻や腰の筋肉が凝り固まってしまっていることも原因になるため、30代前後の男女にも多くみられる冷え性です。

③「内蔵型タイプ」

このタイプは自分が冷え性であると自覚しにくいため、隠れ冷え性ともいわています。

症状は全身に冷えは感じず、腹部や腰部を触るとヒンヤリと冷たい状態で、中にはお腹の張りを感じたりする特徴があります。

下半身に脂肪がつきやすい30歳以降の女性や肥満気味で汗をかきやすい人に多く、体内が冷えてしまっているため、内臓機能の低下が懸念される冷え性です。

④「全身型タイプ」

このタイプは普段から体温が低い人に多く、季節問わず全身がヒンヤリと冷たい状態です。

体質なども影響しますが、不摂生や栄養不足による基礎代謝の低下が原因に挙げられ、身体機能が下がり慢性的な全身の倦怠感などの症状が出ます。

以上の4つが冷え性のタイプと主な症状ですが、体調や体質によって四肢末端型の症状と下半身型のどちらの症状もあるなど混合した冷え性もあり、一概に「自分はこのタイプ」と一つに絞ることが出来ない場合もあります。

しかし冷えを感じる場所は様々ですが、原因の多くは血行不良にあります。

食事での栄養補給に加え、筋力アップを図り全身の血流を良くして体温調整を見直していきましょう。

全冷え性タイプ対策

ストレスの軽減や運動不足解消は多くの不調の改善に繋がり、冷え性改善にも効果てきめんです。

冷え性を改善する生活習慣

①全身を使うランニングやウォーキング

全身を使う運動は基礎体温を上げ、血行促進を促します。

運動不足になってしまう人はなかなか日々の生活に運動する時間を取るのが難しい、苦手と言う人が多いと思います。

なので、通勤やお買い物などの日常の中で少しでも歩く時間を作り、歩くときは腕の力を抜き、大股で姿勢よく歩くことを意識して全身を使いましょう。

②全身を温めるために毎日湯船につかるのも冷え性対策としては大切ですが、より効果を高めるため注意するポイントが2点あります。

長い入浴をしない

長時間入浴をすると汗をかいてしまい、反って身体を冷やす原因になってしまう為避けましょう。発汗が目的の半身浴も同じです。

お風呂から上がる前に身体を温める

身体を洗う前に5分ほど湯船に浸かり、身体を洗った後もう一度湯船で浸かりなおすことで全身が温まり湯冷めをしないように気を付けましょう。

③身体を温める食材を使った食事を心がける

冬に旬を迎える食材は夏野菜と比べ、水分量が少なくミネラルや鉄分が豊富に含まれています。これらは血行を良くする働きがあるため、身体を温める作用があります。逆に夏野菜はその水分で身体を冷やし、さらに体にたまった余分な水分を排出するカリウムが多く含まれているため夏バテを防ぐのに効果的になります。

冬に旬になる青菜類はほうれん草・小松菜・ブロッコリー、根菜類は全般、お味噌や納豆などの発酵食品、その他薬味として生姜や山椒が身体を温める効果のある食材です。

唐辛子を使った辛い食べ物も身体を温める効果がありますが、同時に発汗性もあるため、辛さは適度に調節して使いましょう。

季節の旬以外にも北の寒い地域で育つ鮭やカニも身体を温かくする食材と言われます。

タイプ別冷え性対策

①四肢末端型冷え性対策

このタイプは栄養不足による血行不良が原因である事が多いため、日々の食事を気を付ける必要があります。先ほどもあった身体を温める食材のほか、肉類などのタンパク質もしっかり摂り、栄養バランスを整えた食事を心がけましょう。

②下半身型冷え性対策

このタイプは腰部から下の筋肉の凝りを解消し、血流を良くしながら引力を保つことが大切になります。前屈運動や寝ながら出来る足上げ運動など簡単で取り入れやいストレッチを意識的に生活に取り入れていきましょう。

③内蔵型冷え性対策

このタイプは食べ過ぎなどによる肥満が内臓脂肪や血行不良を招いているとされます。食事の量を調節して減量することも大切ですが、内臓が冷えていると機能低下が懸念されるため、水分補給の際はなるべく温かい飲み物を飲みましょう。

起床時にコップ一杯の白湯をゆっくりと飲むことで、体内を温めると同時に腸を刺激し、溜まった老廃物を排出することが出来るので冷え性の自覚がなくても肥満体質の方は日々のルーティンに取り入れるといいかもしれません。

④全身型冷え性対策

このタイプはもともとの基礎体温が低い方が多く、病気への抵抗力も低下している可能性が高いです。

この冷え性になる原因は多くは不摂生です。仕事柄生活時間が乱れてしまう人は出来る限り栄養に気を付け、睡眠をしっかりとりましょう。

ヒトの肉体は36.5℃で正常な働きをするようにできています。1℃下がると白血球の働きは30%下がるとされ、35℃になるとがん細胞が最も増殖すると言われています。

冷え性は体質であり病気ではないというのが西洋医学の考えですが「冷えは万病のもと」は科学的に証明されています。

寒くなる季節になり、病気の蔓延が気にかかる社会だからこそ、自分の身体を見直し、体質改善を試みてはいかがでしょうか。