正しい姿勢を身につける
世間を騒がせている感染症の影響でデスクワークの時間が増え、腰痛や肩こりが悪化してしまったという方が増えました。
姿勢を気にした時に背筋がピッと伸びますが、これは正しい姿勢なのでしょうか?
背筋を伸ばしているよりも丸めている時の方が楽な気がするのに、正しい姿勢は身体の負担を軽減してくれると言われているのは何故なのでしょう。
今回は正しい姿勢とその姿勢がもたらす健康についてお話します。
①セルフチェックの仕方
まずはいつもの自分の頭の位置や背骨・骨盤の位置を確認してみましょう。
壁を背に頭とかかとが壁につくように直立します
・壁と腰の間の隙間に手がちょうど入る → 普段から自然な背骨の湾曲を描けていて腰も反っていない理想的な姿勢
・壁と腰の間に握りこぶしが入る → 反り腰気味。骨盤が前に出ていて腰に重心がかかってしまう為腰痛になりやすい姿勢
・壁と腰の間にまったく手が入らない → 猫背気味。背骨が前に傾いていて頭の重量が肩にかかりやすく肩こりや頭痛などの症状が出やすい姿勢
反り腰になってる人は頭と首は前に出てお尻を後ろへ突き出したような姿勢になってしまっています。運動不足・加齢による骨盤周辺の筋力が衰えが原因とされていて、腰痛だけでなくO脚・外反母趾・巻き爪にもなりやすいと言われています。
座っているときの姿勢
続いて座っている時の姿勢を確認しましょう。
・悪い姿勢の例(椅子に座っている姿勢)
前かがみに座ってしまう・・・・パソコンやスマホなどで作業をしている時に一番多い姿勢ですが、頭の比重が首にかかってしまい肩こり・頭痛の原因になりやすい姿勢
背もたれに寄りかかってしまう・・・・一見楽に座っているようで、腰部に体重がかかるため腰痛になりやすい姿勢
足を組んでしまう・・・・左右のバランスを保つために無意識に足を組む癖がついてしまうと骨盤などの歪みの原因になってしまう姿勢
長時間座るリスク
姿勢の話とは少し違いますが、最近アメリカで長時間座っていることの病気のリスクについての研究が発表されていました。
腸への負荷による影響を鑑みて発がんのリスク・糖尿病のリスクや骨への負担からくる腰痛、血行不良になりやすいことから脳卒中など大きな病の危険があるという内容の研究でした。
座るに限らず、長時間同じ姿勢でいることが血行不良や筋肉の凝りなどの身体への影響が大きいことは昔から知られていることなので、座って仕事をしなければいけない方もできれば30分~1時間に一回立ち上がってストレッチをするなどして全身に血が巡るよう、筋肉をほぐすよう気を付けましょう。
そうすると、結局姿勢を気にすることより適宜身体を動かしていればいいのでは?と思いますが、姿勢を正すことは不健康にならないではなく、健康になるに繋がることです。
②自分の姿勢から見直す習慣
最初のセルフチェックで自分の姿勢の癖を見つけることができたら、今度はどんな姿勢が正しいのか、それに足らない筋肉は何になるのかを考えていきます。
・反り腰気味
反り腰の原因は前述してる通り骨盤の前傾です。加齢や運動不足で骨盤を支える腹直筋やその周りの腹部の筋力が落ちると骨盤が前に傾いてしまいます。これは加齢とともにお腹のお肉が出やすくなってしまう、いわゆるぽっこりお腹の原因にもなっていて、痩せているのにお腹だけ出てしまうという方は反り腰が原因かもしれません。
骨盤の位置が変わってしまうと当然その周辺の内臓の位置も変わってしまいます。あるべきところにない内臓が血管を圧迫し、下半身のむくみや血行不良を引き起こします。
~反り腰改善ストレッチ~
・椅子に浅く座り、背筋を伸ばし息を大きく吸い込みます。ゆっくりと息を吐きだしながら、お腹を見つめて腰を折り曲げていきます。そのまま5秒数えます。
5秒数えたら今度はゆっくりと息を吸いながら頭をまっすぐに起こしていきます。この動作を急がずにゆっくりと繰り返していきます。動くときにお腹をへこませて筋肉を意識しながらやると効果的です。
反り腰の方は太ももの付け根にある腸腰筋が緊張しやすくなっているので、この筋肉をほぐしてあげるのも効果的になります。
- 脚を前後に大きめに開きます。上半身はまっすぐ起こしたまま、後ろの足を深く立膝していきます。
- 後ろの太ももの付け根を伸ばすようにゆっくりと前脚に体重をかけていきます。
- 30秒ほど伸ばすのが理想的ですが、慣れないうちはできる範囲で大丈夫です。
・猫背気味
猫背の原因は様々ですが、最近はスマホを使用する際に下を向いていたり、デスクワークによるパソコンの長時間使用で画面やキーボードの位置が低かったりするとつい背中を丸めてしまいがちになって、いわゆる猫背の姿勢になる習慣がついてしまっている方が多いかと思います。
猫背の方がリラックスできている気がするのに・・・しかし背骨が曲がってしまうと腰痛だけでなく、自律神経が乱れてしまい心の不調にもつながってしまいます。
体幹部分の筋力を柔らかくすることで、猫背を脱却し、自然な姿勢を見直していきましょう。
~タオルで簡単猫背改善ストレッチ~
フェイスタオルを使って腕・肩・背中の筋肉を意識しながらストレッチしていきましょう。
- 肩幅くらいに足を開いて立ち、両手を使って背中側でタオルを持ちます。
- 胸を反らせてタオルを持った手を上へ挙げていきます。腕が上がったら頭も後ろに反らします。
- この状態を10秒ほどキープし、ゆっくりと元の体勢に戻ります。
さらに下を向きがちな首を後ろに伸ばしていくストレッチです。
- 椅子に座ってタオルを首に掛けます。
- タオルの両端を持ってタオルは前へ、頭は後ろへ倒して首の筋肉を伸ばします。
- この体勢を10秒キープし、力を抜いていきます。
そのほか肩甲骨を意識して動かすストレッチも効果的です。
自分の姿勢というと骨ばかり気にしてしまいがちですが、骨を支える筋肉を意識することで正しい姿勢の保ち方を身につけていきましょう。